無の探求

ひねくれすぎて社会に馴染めなかったぼっちフリーランス(Webライター)の根暗ブログです。記事テーマはゲーム、ライター関連、ネットの話題など色々。2017年7月18日ブログ開設。

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胆振東部地震を経て~公園シャンプーはきもちいい~

2018年9月7日、深夜3時8分。

役立たずな上にうるさいだけのJアラートをオフに設定しているスマホからサイレン音が鳴り響く。何事かと思ったのも束の間、非常に強い縦揺れが北海道全域を襲った。私の住んでいる札幌は震度5強を観測し、直下の地域は震度7を観測していたことが翌日に発覚。震度7は北海道における観測史上最大にして歴史上でも類のない惨事であった。正直死ぬかと思った(´・ω・`)

 

 

唯一神コンビニ

地震直後は停電に見舞われておらず、北海道全域が停電したのは1時間後の4時頃。後に起こる大混乱を予想していた者は決して多くはなかった。

そして時間が時間だけに、普通の生活リズムを送る真っ当な人間は迅速な対応が難しかった。こういう時は昼夜逆転ニートや暇人大学生が非常に強いのは言うまでもない。かくいう私も連日のライブ配信で昼夜逆転しかけていた一人であり、3時に叩き起こされたと言っても眠りに入った直後だったのでほぼノーダメージ。ダメ人間ほど被害が少なかったのは皮肉である。

備えに動いたのは停電した直後の4時頃。信号も停止しており、都市機能は完全にマヒしている。そんな中コンビニがマトモに機能しているとは思わなかったものの、いざ向かってみるとレジ電源だけを確保してしっかりと営業していた事に驚愕。ダンボールを蓋にして密封された冷凍コーナーやケースごと地面に陳列された大量のパンなど、緊急時の対応が非常に行き届いているのがよくわかる。

しかし7日に深夜バイトに入っていた方はホントに災難としか言いようがない。クーラーの停止した小さな店内に100人近い客が絶え間なく押し寄せ、さながらサウナ状態と化しているのだ。ホントにお疲れ様である。彼ら彼女らには本部から特別報酬を進呈してほしい。

売れるものと売れないもの

4時の時点でパンやおにぎりは一瞬で完売しており、カップ麺も手軽なヌードル系などは残されていなかった。電池式のスマホ充電器や飲料水なども時すでに遅し。私はコンビニを3件回って充電器をギリギリで確保できたが、残り1個だったのでホントに危なかった。間違えてモバイルバッテリー的なものを手に取っていくオッサンも見かけたが、かわいそうなので一応教えてあげたナス氏は超やさしい。まあ最後の1個は私が持ってるんだけどね。フヒヒ。

自分のスマホがTypeCなのかMicroUSBなのかわからなくて困ってる中年夫婦に声をかけられた時もちゃんと説明してあげたナス氏はマジ卍(使い方合ってるかは知らない)。まあ教えても理解してなかった気がするけどそこは私のせいじゃないので知らない。機械音痴に慈悲はない。

というかなんで他にも人いるのにみんな私に聞いてくるのよ。昔から道を聞かれたり券売機の使い方聞かれたりチャリ乗った外人コンビに宗教の勧誘されたりでやたら知らない人に話しかけられるぞ。もっと近寄りがたいオーラというか霊圧で人を消し飛ばしたりできる愛染隊長みたいな存在になりたい。現実はオラついた人にビビるチキンだけども。

激辛も愛して

災害時のコンビニやスーパーでは往々にしてこのような現象が起こる。

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 キレイに売れ残っているのは激辛ペヤング君。横に並んでる丸いのも唐辛子系のヤツなので同類。売れ残る最大の原因は「辛くて水分を余計に消費してしまう」という点ではあるものの、限定品なので普通のカップ麺よりも割高だという点もネックになっている。ちなみにこれは朝7時頃のセブンで撮影したもの。

しかし焼きそば系は湯切りの関係上、麺自体は普通である可能性が高い。恐らく激辛なのはソースや加薬の方だけで、おたふくソースやラーメンスープなどで代用すれば普通のカップ焼きそばとして食せる可能性が高い。まあ面倒だけども。

 

そして昼頃セコマにも行ってみたが、残っていたのはこのような前衛的なカップ麺だけだった。

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 見るからにイロモノ枠なパッケージなせいか売れ残っていたこの子。「ガーリックシュリンプ」「珍種謎肉」といった前衛的すぎるフレーズが非常に香ばしい。しかしその日の晩に食べてみると全くクセがなく普通のシーフードヌードルよりも美味であった。もし見かけたら是非食べてみてほしい。というかちゃんと売りたいならパッケージをもっと普通にしたほうがいいですよ日清さん。商品開発部の努力を広報担当の悪ノリで無駄にしちゃってますよ。

アベンジャーズ襲来

ひとまず買い出しを終えた朝8時頃、唐突にスマホに通知が来る。何かと思って見てみるとこんな文面だった。

 

「ウォッチリストに登録されている”アベンジャーズ・インフィニティウォー”の販売が開始されました」

 

ああ…そういえば今日だったのか…。いや停電してるしネット使えねぇしWiFiねぇし見れねぇっての。データ通信でアベンジャーズなんてみたら一瞬で制限かかるわ。

でも社長が来てくれたらどれだけ心強かったか。むしろヴィブラニウム超科学で北海道をまるごとラピュタにできそうな気がする。サノスの相手で忙しいから無理だろうけど。

地獄の給水マラソン

札幌は一部しか断水してなかったものの、マンションは例外である。マンションは上部タンクに吸い上げてから各階に送り出す仕組みなので、電気が止まると水道も連動してストップしてしまう。停電直後ならタンクに残った水を使えるが、そんなものは我先にと殺到する住民達が10分ほどで食らいつくす。考えることはみんな同じなのだ。 

そしてタンクが空っぽになれば給水所や公園の蛇口から汲んでくる他ない。 私はスタートダッシュに出遅れたので公園給水を余儀なくされた。主な用途は調理用とトイレ流し用。近くに公園があったのは幸運だったが、問題は私の階が9階だという点。

エレベーターは止まっているので、給水はもちろん出かける度に長い階段を上り下りしなければならない。これがとんでもなくツライ。特に給水は15リットル程度までびっちり入れたバケツを両手に持って階段を上る必要がある。あんな階段往復を何度もやってられない。一度に大量に運ばなければ効率が悪いのだ。

中には45リットルのゴミ袋パックに駆使し、たぷたぷになった水爆弾を大量に車に積み込む猛者もいた。あれがもし車内や室内で破れたらと思うと超怖い。休校で暇を持て余したキッズたちもパパに駆り出され、小さい身体で水くみを手伝っていた。

しかし、トイレをバケツ水圧で上手く流しきるにはコツがいる。3,4回ほどでコツを掴めたものの、ここ最近腹の調子が悪かった私のウンコはなかなか流れにくいしぶとさを発揮し、必要な水量も多めだった。そのせいでトイレと公園と階段を往復する地獄のマラソンが始まったのである。人間の尊厳を捨てて野糞に甘んじる手もあったが、まだその時じゃないと自分に言い聞かせ耐え忍ぶことにした。後になって気付いたのは、そのバケツで仮設トイレ作ればそんなにお水必要なかったよねってこと。ホントに気づくの遅かった。つらい

結局電気が復旧するまでに階段を往復した回数は20回ほどで、運んだ水の量は150リットル近い。浴槽満杯に近い量をバケツだけで運んだことになる。おかげで真っすぐ歩けないくらい足がパンパンになった。足じゃなくて彼女とパンパンしたかった。

日本人の闇

深夜ダッシュできなかったパンピーたちはドラッグストアに救いを求めて押し寄せる。9時開店のツルハには長蛇の列ができたが、開店したのは12時頃だった。ママに付き添うキッズはストレスから喚きだし、赤ん坊も連鎖して泣き出す。まさに地獄絵図。

駐車禁止など関係ない。周囲の道路は路面駐車の車両で溢れかえり、もはや通行不能。11時頃までは1台もなかったが、誰かが最初に路駐すればそれがトリガーとなり一斉に増えだす。日本人は礼儀正しいのではない、輪から逸脱するのが怖いだけなのだ。自分だけ責められ、批判されるのが怖いだけなのだ。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というのは正に日本人らしさが詰まった皮肉である。日本人のモラルは同調圧力だけで維持されていることがよくわかる一件だった。

乾電池の限界

腹の調子が一段落して間もなく、疲労困憊の私は泥のように寝た。起きた時は面白いくらい真っ暗で、街灯が点かないだけでこんなにも違うのかと驚くばかり。ライトなしでは危なくて出歩けないほどである。

しかしちょうどいいライトがなくスマホの懐中電灯機能を多用していたせいでバッテリーは死にかけ。ついにヤツの出番だ。

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残り1個でゲットした充電器。しかし、使ってみるとポンコツもいいところだった。これをつないだ状態でツイッターしてるとバッテリーが逆に減っていくのだから、使用電力すら上回っていない供給力ということになる。

結果的にモバイルバッテリーに充電してからスマホにつなぎなおすという二度手間が必要だった。しかし、6時間ほどモバイルバッテリーにつないでもほとんど充電できておらず、それをスマホにつなぐと20分ほどでカラになってしまった。しかも30%ほどしか増えていない。裏面を見てみると1.2Aと書かれていたので納得の貧弱さである。所詮は乾電池なので非常用に過ぎないようだ。魔改造して20本くらいつなげばマシになるのだろうか。教えて理系おじさん。

シャンプーおじさん

24時を過ぎ、辺りは暗闇と静寂に包まれる。

しかし、私の頭皮は穏やかではなかった。買い出しと水くみで汗まみれの糞まみれだった私は言葉では言い表せないほどの不快感に襲われていた。身体はシートで拭けばどうにかなるが頭はどうしようもない。しかしせっかく汲んできたお水をシャンプーで大量消費するのはあまりに忍びなかった。

そこで私は準備にとりかかった。

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ちなみにこれは停電2日目の朝に撮影したもの。実際は暗闇で撮影どころじゃない。そしてこの装備で向かうのは銭湯ではない。風呂場でもない。公園だ。

そう、公園だ。

もうなりふり構っている場合ではない。どうせ街灯もなく真っ暗だから誰にも見えない。深夜だし誰も来ない。やるなら今しかない。

パジャマにサンダル、そして腕にはシャンプーとタオルの入った洗面器。完全に銭湯スタイル。意を決した男の足取りには一片の迷いもない。出かける度に長い階段があるのは面倒だがそれはもう諦めた。

無事に公園につくと、洗面器に張った水を一気に被る。爪を立てシーブリーズで頭皮にダイレクトアタック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きもちいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園の蛇口で豪快にシャンプーする背徳感も合わさり、何とも言えない解放感と清涼感に包まれる。ああ、これが本当のシーブリーズなんだ。今まで全然シーをブリーズできてなかったんだ。ただの行水だったんだ。

いやそんなわけない。むしろ公園でシャンプーしてる方が完全に行水である。人間の尊厳を公園に求めてはいけない。目的を前に大義を見失うな。シーブリーズの真意なんてどうでもいいんだ。ただ、とてもきもちよかった。

しかし豪快にワシャワシャしてたところで話し声が聞こえた。声の方へ目をやると、ライト片手に深夜俳諧するキッズ2人組がそこにいた。おいおいガキは大人しく帰んな。ここは生半可な気持ちで踏み込んでいい領域じゃねぇ。こちとら遊びじゃねぇんだ。災害で学校がお休みになる非日常からハイになる気持ちはわかるが、深夜は危ない奴等がいるから気をつけなきゃダメだ。

まあ不審者感全開のシャンプーおじさんが何言ってんだって話だが、災害時の深夜にキッズが出歩くのはマジでやめたほうがいい。親にバレたら間違いなくキレられる案件だ。きっとあの子らも親に黙って抜け出したに違いない。彼らは私の方を向いたまま何やら話しつつUターンしていったが、きっといい教訓になったのだろう。深夜はヤバイ奴がいるから大人しくお家にいよう、と。シャンプーおじさんは人知れず役に立った。

絶望の2日目

シーブリーズで人間の尊厳を取り戻した私は床に就き、そのまま爆睡して朝を迎えた。相変わらずライフラインは死んでおり、聞こえるのはささやかな鳥のさえずりだけ。普段ならいい朝だが今回はそうもいかない。

「ラジオ体操だいいち~^^」

つけっぱなしだった携帯ラジオから聞こえた爽やかな目覚ましボイスが耳に刺さる。体操とかナメたこと言ってんじゃねぇぞ。こっちはふくらはぎがパンパンで歩くのもつらいんだ。あと何故かケツも痛い。スケートとかスキー行った翌日もケツの筋肉が痛くなったので、きっとバケツ運びはケツが大事なのだろう。バランス感覚悪い人はきっとケツの鍛え方が足りないんだな。

そして私はケツを労わるために二度寝した。

100mの格差

停電1日目の夜には100m先の区画は既に復旧していた。我が家はちょうど送電区画が分かれる境目あたりにあり、こっち側の区画は未だ復旧していない。

「一部地域は6日のうちに復旧させるよう努める」というフレーズはラジオでも頻繁に言われており、その一部地域は札幌や函館などの主要都市であることが明白だった。しかし札幌と言えど端の方は店すらない田舎もいいとこだ。そしてうちは田舎側の札幌。復旧における優先順位は札幌内でも低かったらしい。

その結果起こったのは「いつの通りの日常を享受する100m先」と「半ゾンビ化した腐りかけの住民街」が隣り合う異様な光景。公園では復旧した家庭のキッズが公園で休校ライフを満喫。そのキッズをしり目に死んだ目で水くみを繰り返すマンションゾンビたち。皆が私のようにシャンプーおじさんなわけでもないので、マンション民は異臭を放っていた。電気も水道もない高層マンション勢はいっそ公園に住んだ方がマシなレベルだったのは言うまでもない。

なぜうちの区画は復旧しないんだ。100m違うだけで何でこんなに差があるんだ。マンションゾンビたちからは言葉にせずとも伝わる怨嗟があふれ出す。彼らはもう限界が近かったようだ。

ようやく復旧

停電2日目の9月7日。マンション民がモノホンのゾンビになりつつあった頃、ついに電気が復旧。ほどなくして水道も復旧した。まず最初にやったこと、それはツイッターでの報告だ。

私が人間の尊厳を保てたのはツイッターで発信し続け、それに対して反応があったことが大きい。災害時は誰だって心細くなる。明かりのない環境では不安にもなる。そしてなぜか性欲も増す。いつも以上に彼女がいない現実に落胆したのは言うまでもないが、危険な状況ほど性欲が増すのはある意味自然な反応だとも言える。もし彼女がいたらシャワー使えないことなど忘れてずっとエキサイトしてたかもしれない。いないけど。

心配してくれた方々への報告、そして明るい部屋での飯、水使い放題のシャンプー。この時ばかりは節約など忘れてやりたい放題。とりあえず冷蔵庫にあったヤバそうなものは一気に焼いて食った。焼けばだいたい食える説。

幸い停電は2日間だけだったので仕事への影響も最小限で済んだ。そして初日にツイッター芸人してたおかげかフォロワーが30人近く増えたのは予期せぬ収穫。ゲーム配信してる時よりも増えてるのは複雑ではあるものの、まあ良しとしよう。

まあそんな感じである意味では貴重な体験となった被災生活。道内における完全復旧には相当な月日がかかると思われるが、今後も余震や計画停電などに注意しつつ頑張ろうと思う。

 

P.S.

心配してくれた方々、支えてくれた方々、本当にありがとうございました。Youtuberもどきやってて人の温かさを知れたのが一番の収穫だと思います。今後ともよろしくお願いします。