無の探求

通称「なす」 無色で無職な無敵なフリーライター。まだ誰にも染められてません。今ならあなた色に染めるチャンス。2017年7月18日ブログ開設。

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「広告」はなぜ嫌われ者になったのか?

興味のない広告ほど鬱陶しいものはありません。特に無駄に自己主張してくるポップアップ広告や、スマホのオーバーレイ広告は本当に邪魔ですよね。もはや視聴者のリテラシーに関係なく広告は嫌われていますが、一体なぜこれほどまでに嫌われる存在になってしまったのか。

広告の原点

一般に馴染み深い昔からある広告と言えば、やはり新聞ではないでしょうか。随所に違和感なく散りばめられた広告は完成されたデザイン美ですし、スーパーの織り込みチラシは家計を支える主婦の味方となります。町へ出れば立て看板に新規店舗の広告、駅前では広告入りのティッシュ配り、モニターでは様々なCM。昔からある広告は日常生活の中に上手く溶け込んでいました。当時の広告は「興味ない」と一蹴されることはあっても「邪魔」と切り捨てられるような存在ではなかったのです。

紙媒体からネット媒体へ

ネットの発達により、これまでの紙と文字が主体だった広告はデジタルなものへとカタチを変えました。広告は人目につく場所に設置しなければ意味がありませんが、全世界に配信できるネットとの相性は正に最高だったのです。

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上のグラフでもわかるとおり、ネット広告は登場以来増加し続けています。逆に新聞や雑誌は衰退期に入っており、電子メディアにその地位を脅かされているのが現状です。

しかし、意外なことにテレビの広告費は減少していません。若者にテレビを見ない層が増えてきていることは常々報道されてきましたが、それでもやはりテレビの影響力は侮れないのです。

収益型ブログの躍進

広告は一般人でも扱えるものへ

2004年頃にブログサービスが流行り始め、一般層でも気軽に自己発信できるようになりました。当時のブログは収益よりも単純な自己発信ツールとしての立ち位置が強いものでしたが、次第にブログの広告だけで食べていける「ブログ飯」なるフレーズも登場します。その結果、自らもブログ成功者に続こうと収益目当てでブログを始める一般層が急激に増えていきました。

広告は「うざい」ものに

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あらゆるネットサービスやブログが広告だらけになり、広告はイヤでも目に付く存在になっていきます。これまでと違い、広告のビジネスモデルは「気になった人だけ手に取る」のではなく「とにかく目に付くところに置き続ける」ものへと変化したのです。特に一般人はコンテンツと広告の親和性を考えずにポンポン設置するため、もはや広告がコンテンツと言っても過言ではないほど見苦しいブログになることが多々あります。

スマホサイトとの親和性

誰でもスマホを持つ時代になり、広告は更に身近に付きまとう存在となりました。スマホはPCと違い、指で直接操作する仕様により「広告の誤タップ」の発生率が高くなります。また、スマホ画面の小ささは広告を目立たせる効果が強く、表示されれば場面の3割以上を占有することも珍しくありません。視界に長く居座り続ける事で広告効果を最大限引き出すことが可能になったのです。

嫌われる広告の例

ユーザーに求められたコンテンツの前に割り込むタイプ

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ページをクリックした際、そのコンテンツが表示される前に割り込むカタチで表示される広告です。消去タブをタップしない限り元々のコンテンツが表示されないため、ユーザビリティを著しく損なう典型的なタイプだと言えます。

スクロールに追従していつまでも消えないタイプ

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スクロールしてもずっと上下に居座り続け、単純に画面を占有するタイプの広告です。こういったものはオーバーレイ型の広告と呼びます。誤タップの割合がそれなりに高く、可視範囲も狭くなるため評判は良くありません。

ポップアップして突然視界ジャックするタイプ

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上の画像のような悪質な誘導リンクが多く、耐性のないユーザーは引っかかりがちです。こういったものは例外なくウソなので無視して問題ありませんが、誘導された先のサイトで個人情報を入力したらおしまいです。巧妙なものだと「1000万人目の訪問者に選ばれました」などと謳って商品を送るための個人情報の入力を求められるものなどもありますが、騙されないように気をつけましょう。

過剰広告と不適切広告

どこにでも必ずある鬱陶しさ

そもそも大半の人は広告に興味を示しません。それが表示され続ければ不快でしかありませんし、表示させないようにするには毎回消すか特殊な設定が必要になります。現在の広告には「見ない自由」がほぼないのです。ここまで過剰に表示され続ければ興味よりも嫌悪感が勝ちますが、それでも需要がなくならないのは関心を寄せる層が必ず「一定数」いるからです。その一定数を獲得するために、広告は今日も全方位にばら撒かれ続けるのです。

規制の甘い過激な広告

スマホサイトの広告はPCサイトと違い、広告の質が過激になりがちです。とくに成人向けの要素を含んだ広告の出現割合が非常に高く、子供でもスマホを当たり前に持つ現代では常々問題視されてきました。子供には見せたくないと感じる親も当然多く、これも広告に対する嫌悪感を煽る要素の一つになっているでしょう。

広告収入は現代の「不労所得」の代名詞に

「ブログ飯」はもちろん、最近では「YouTuber」も広告収入を得る手段の代名詞です。両者とも記事や動画コンテンツの作成段階があるので厳密には不労ではないのですが、一度作ってしまえば資産として残り続けるので後の不労所得の糧となります。

 

例えば市川海老蔵の公式ブログを見てみてください。

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ABKAI 市川海老蔵オフィシャルブログ Powered by Ameba

彼のブログは更新回数が異常に多く、非常に多くのユーザーが訪問するので毎月の広告収入が数百万円だとか言われています。ブログの内容は非常に薄っぺらく短いものばかりですが、彼の場合は自身がブランド価値を持つのでどんな内容でも付加価値が発生します。つまり、一定数のファンがいる有名人ならブログでほぼ必ず収益を得ることができるわけです。

しかし、一般人の場合はそうはいきません。一般人が「今日のご飯おいしかった」などと薄っぺらい日常を呟いたところで何の価値もないため、ちゃんと収益を得るためには価値のある記事を書かなければなりません。

ちなみに彼をはじめ多くの芸能人が利用しているamebaブログは、無駄に改行しまくってページ分割することで露骨なPV稼ぎをしている人が異常に多いです。これはケータイブログ時代の名残(改行しないと見づらかったため)という説もありますが、スマホ主流になった今でも無駄な改行を続けている場合は例外なく守銭奴だと思っていいでしょう。PV数を水増しできればそれだけ広告収入も増やせるのです。

広告の課題

バカ向けに作られるテレビ番組

昨今はSNSの普及により、テレビ番組の意図的な情報操作が暴かれる事件が相次ぎました。裏も取らずにてきとうな情報を垂れ流すテレビ番組への不信感は過去最高に高まっており、知識層やネット世代のテレビ離れが深刻とされています。

テレビ番組はそれ自体が広告のようなものであり、かつてより多大な影響力を持ってきました。しかし、視聴者が低リテラシー層だらけになった現在では「いかに情弱を騙すか」というスタイルへとシフトしているように感じます。テレビを見る層と見ない層で思想の乖離が目立つようになったのもこのためでしょう。

広告は排除されるものへ

ネット広告が邪魔者扱いされることが当たり前になったことで、賢いユーザーはそれを排除する術を覚えていきました。例えばポップアップ広告を表示しないように本体設定をいじったり、広告非表示アプリを導入して完全排除したりなど様々な対処法があります。

また、リテラシーの高い人は基本的に広告を嫌う傾向があります。これは各ブログのアドセンスクリック率を見れば明白で、芸能関連を扱う一般向けブログは5%を超えるクリック率があったりするのに対し、ゲーム系やIT系などの高リテラシー層のユーザーが多いブログのクリック率は大体0.5%程度しかないのが当たり前です。このブログもアクセスの大半がゲーム記事なせいか、クリック率は0.3%ほどしかありません。

ユーザーの低年齢化

特にYouTube動画への広告ですが、人気配信者は視聴者のほとんどが10代かそれ以下の子供です。彼らは広告に対しての購買力がほぼなく、YouTuberに支払われる莫大な広告料の多くが無駄になっているわけです。

www.barasa88888-animegame-blog96.com

もちろんそれ以外にも様々な理由はありますが、YouTubeの広告料は年々下がり続けています。広告が貼られる動画も対象が狭くなり、「物申す系」や「雑談配信系」などの一般的に「価値の低い」動画には広告が貼られなくなってきているようです。

まとめ

広告は多くの人に見てもらわないと意味がない。でも多くの人にとって邪魔なので嫌われる。まさに「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」を地で行くビジネスモデルですが、当たらなかった鉄砲弾がどんな結果を生んだのかもそろそろ考えるべきなのではないかと思います。最近は悪質な詐欺広告もどんどん増えていますし、ネット社会の治安を乱している一因なのは間違いないでしょう。