無の探求

通称「なす」 無色で無職な無敵なフリーライター。まだ誰にも染められてません。今ならあなた色に染めるチャンス。2017年7月18日ブログ開設。

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クラウドワークスに登録してから2か月の間に来たスカウト依頼を晒す

どうも、なすです。

皆さんは「クラウドワークス」って知ってますか?簡単に言うと「仕事を探している人と仕事を出している人」のマッチングサイトで、この手のサービスのことを「クラウドソーシング」と言います。他の有名どころだと「ランサーズ」が大手ですね。

しかしクラウドソーシングは価格破壊が深刻なので、プログラミングにしろライティングにしろ「技術の安売り」がまかり通ってます。こういう場所で一度受け入れられた市場価格は二度と戻らないので、法改正でもされない限りは永久に奴隷市場です。でも必死なフリーランスにとっては唯一の居場所だったりもするんですよね。

そんな奴隷市場にこの度私も登録しまして、実際どんな感じなのか視察してきました。今回はそのレポートです。

 

 

 

登録に向けた意気込み

私はこう見えてもライター歴2年。そこらへんの底辺Webライターとは格が違う。座りっぱなしで数千の記事を執筆した末に腱鞘炎と痔を患い、血液検査でイエローカードを貰いまってからは毎朝の青汁とイージーファイバーを欠かさない意識高い系ライターだ。

そんな私もかつては怪しい美肌サプリメントのレビュー記事(飲んでない)や出会い系アプリの感想(使ってない)などどんな記事でも請け負ってきた。こういう記事は「なりきり記事」と呼ばれ、底辺Webライターの専売特許でもある。ぶっちゃけ質の悪いウソ記事なのだが、ジャンルとして確立しているぐらい底辺ライター界では浸透しているのだ。ちなみにサグーワークスみたいな中抜き天国は堂々と「なりきり記事募集」とか書いている。もちろん報酬も1文字0.1円とかそんな感じのゴミだ。手を付けるのは底辺しかいない。だが最初はそんな仕事しか受けられないのだ。

そういった不条理を目の当たりにしながらも私は生き残った。数多の糞案件、糞クライアントと報酬面でレスバトルしてきた。日本語が不自由な編集者が相手でも高額案件ならプライドを曲げて従った。未払いクライアントはせめてもの抵抗で2chに晒した。私はもう新人フリーランスへの洗礼は既に通り抜けている。怖いのはAdsenseの停止とコレステロール値だけだ。

20代男性、ライターです。

まあ上の戯言はおいといて、クラウドワークスを登録するにあたって、大手メディアでの連載記事や、PVランキング上位になった書籍レビュー記事などを実績欄に加えた。クラウドワークスでは実績なしなのに、イキって運営本部に免許のコピーを送り付けて本人確認マークもしっかり付けた。(別にしなくても問題ないがクライアントからの信用度は上がるらしい)

そして自由記入欄にはこんな感じのことを書いた。

数千の記事執筆経験からSEO対策には自信があります。

美容・金融・芸能・ネット、その他なんでも書けます。

1文字1円以下の依頼は受けないのでスカウトはご遠慮ください。

これで「受注実績0件」の意識高いセミプロライター()の誕生だ。フリーの世界においてこんなにも痛々しいプロフィールはそうそうない。問題はこんなライターにどんな依頼が来るのかである。

スカウトという名のスパム

とりあえず2ヶ月間様子をみたところ、それなりの数のスカウトが来ました。しかし、そのうち9割は明らかにプロフィールを読んでませんでした(女性限定の依頼はもちろん、最低金額なんて完全に無視)。クライアント情報はボカしつつ、概要だけ晒していきます。

※内容的に重複した依頼は一部除外。ケース名は依頼内容をこっちで意訳したものです。

ケース1.未経験者歓迎!占いライター募集

文字単価は驚きの0.1円。きっとみんな気付いていると思うが、あの手のサイトの記事を書いているのは専門家などではない。全部素人がテキトーなこと書いてるだけだ。占い師として活躍している人間の雑誌特集などはもちろん例外だが、著者名の記載がない占い記事は例外なくどこかの素人が100円くらいで書いた記事だと思おう。

ケース2.ビジネス系メディアのライター募集

転職情報や人事関係の話題を扱うメディアは多く、各種クラウドソーシングでも頻繁に見かけることが出来る。私のところにも2,3件来たが、報酬は平均すると1文字0.5円から1円程度。奴隷市場の中では比較的マシな部類だが、人事経験者や転職エージェントなどの経歴を要求してくる傲慢なクライアントが非常に多い。だったらもっと単価を上げろ。

ケース3.薬剤師限定!高単価の転職記事

自分薬剤師じゃねぇよ。しかも薬剤師とかいう勝ち組がこんな奴隷市場でそう易々と見つかると思うなよ。国家資格取得者を1文字1円で使おうとする傲慢さには恐れ入る。そしてまずプロフィールを読め。

ケース4.女性歓迎!恋愛系メディアのライター募集

自分20代男性です。一応依頼概要を覗いてみると、「今すぐ出会いたい人のためのマッチングアプリ」だとか「喜ばれるS〇X」だとかそんな感じのテーマがいっぱいだった。完全にスイーツ向けクソ記事です本当にありがとうございました。この地雷臭漂う案件の文字単価は0.2円程度だったが、意外と応募者はいた。世も末である。

ケース5.スマホアプリの紹介記事

主に便利系ツールやアクセス解析ツールのような業務系アプリがメインだった。この手の案件は実際に利用するのがお約束になっているが、それはこの案件も例外ではない。そこまで悪くないテーマだったものの、報酬が0.2円だったのでそっ閉じ。

ケース6.記事のリライト&タグ入れ

入稿された原稿に対して手直しを行う編集者の募集。こういった案件は文字単価ではなく時間単価になっていることが多く、大体時給1000円~1500円程度に収まっている。私は時間単価の仕事は受けたくないので、今回は受けなかった。(時間指定されるとPSO2の緊急とかソシャゲのイベントがきついっていうクズな理由)

ケース7.ゲームアプリ攻略&紹介記事

ゲーム好きには嬉しい仕事である。しかし、問題は指定されたゲームが面白いかどうかだ。今回は新しく始まったリネージュ2や古参のパズドラだったが、どっちもにわか知識でまともな記事を書けるほど容易いゲームではない。しかも時間単価制で、一日数時間はそのゲームをプレイしなくてはいけない感じだった。やはりゲーム記事は自分のブログで好き勝手に書くのが一番楽しい。

ケース8.君のブログにうちの記事を載せてほしい

フリーで仕事をしてると、この手の依頼は割とよくある。条件としてもちろん自分のブログを持っていることが入るが、最低でもPV数が月間10,000程度はないと門前払いである。このブログなら条件はクリアしているが、好き勝手に書けるならまだしもクッソつまらないテンプレ構成で「脱毛剤」や「美顔器」のアフィ記事なんて絶対載せたくない。もちろんお断りである。

ケース9.コアな車ファン向けサイトの記事

おっす、おらペーパードライバー。報酬はそれなりによかったが、さすがに専門外なので受けなかった。ちなみに車じゃなくとも、何か専門的な知識を有している人は特定メディアで活躍するチャンスがあると覚えておこう。

ケース10.ファッション、ライフスタイルの記事

ヒキニートには縁遠いジャンル。まあヒキニートじゃないけど仕事のない日は家から一歩も出ない。むしろ仕事があると家から出れない。そして1日中パジャマ。依頼ジャンルとしては定番だが、報酬は高くても1円の域を出ない。

ケース11.エンジニア向け情報サイトの記事

非常に意識の高いメディアから依頼が来た。なにせエンジニア向けフォーラムへの参加とエンジニア情報メディアの定期購読が条件だった。しかも報酬は0.5円である。そこまで徹底するなら報酬も意識上げてくれ。

ケース12.旅行サイトの案内記事

ヒキニートにはry

旅行に関する情報は基本的に調べればどうとでもなるので、知らなくても基本的にどうにでもなる。このジャンルの報酬は高くても0.8円とかそんな感じだが、純粋に魅力を感じなかったので遠慮した。

ケース13.主婦限定!妊娠出産の関する記事

だから男だって言ってんだろ!そして女性向け記事は基本的に報酬が異常に安い。この依頼も0.2円だった。主婦の小遣い稼ぎとしてWebライターは地味に人気だが、ライティングの市場で価格崩壊が起こっている原因の一つは「社会人経験のない主婦がアホみたいな低報酬に迷わず飛びつく」せいである。そして糞記事が乱造されるため、検索汚染を率先して行うクラウドソーシングのWebライター(キュレーター)は全方位に嫌われつつある。

ケース14.お金に関する記事

ライティングのジャンルで非常に案件数が多く、報酬もそれなりにいいのがお金に関する記事である。特にクレカや税関係の記事が多い。特にクレカは広告料や契約時の成果報酬も高く、アフィサイトがこぞって記事を書くのはそのためである。しかし、クラウドソーシングで一般公募している案件ではせいぜい1.5円がいいとこだ。実績を積み重ねた上でFPの資格とかを持っていれば非公開の高額案件のスカウトでワンチャンある。でも私のところにきたのは0.5円だったのでそっ閉じ。

ケース15.ダイエットに関する記事

女性に大人気のクソ記事といえば何といってもダイエット記事だ。クラウドソーシングでも異常に案件が多く、そのどれもが1文字0.1円~0.3円程度に収まるという無法地帯でもある。上でも言ったとおり女性向けの記事は専門性の高い「整形などの美容系・医療系」のような例外を除けばライティングの中ではあらゆる面で最底辺と言っても過言ではない。ダイエットで検索すると無数の糞記事がヒットするのはこのためである。

ケース16.音楽メディアの記事

ゲームやアニメBGMくらいしか聞かない私には新人アーティストの曲の感想なんて書けないので依頼は遠慮した。こういったエンタメジャンルの記事は報酬が圧倒的に安く、特に専門スキルのない若年ライター層が群がる傾向がある。趣味系ジャンルは自分でブログを作った方が断然楽しいが、このジャンルに群がるのはそういった行動力のない意識の低い層だけだ。よって、生まれる記事も劣化ウィキぺディアみたいな薄っぺらい情報記事となる。そんな記事でも数の暴力で攻めれば一定のPV数は見込めるため、我こそはとネットに台頭するド三流メディアは後を絶たない。

ケース17.PC情報サイトの記事

これもジャンルとしては案件数が結構多い。専門性の高いPC情報記事はクラウドソーシングではほとんど募集されないので、大体は初心者向けの記事になっている。故に報酬も安く、企画者や編集者がPCに詳しくないという困った例が割と存在する。そういった場合は企画案をひとめ見た段階でツッコミが入りまくるため、泥沼化する前に戦略的撤退した方が無難である。仕事開始前ならまだ引き返せる。

特別枠:オレの手伝いをしてくれ

仕事ジャンルはライティングになっているが、何の記事なのか全く不明。クライアント名は「夜露死苦」みたいなヤンキー文字。文章内における一人称は「オレ」。案件概要は8割がたポエム。文章は幼稚園児並みの語彙力。プロフ画像には夜の繁華街っぽいとこでウンコ座りしている鼻ピアスの小汚いスカジャン金髪野郎の写真が載っていた。

あまりのインパクトに度肝を抜かれた。今回のMVPは間違いなく彼である。さすがにケース18として紹介するのは忍びないので、特別枠を設けることにした。意外だったのはそんな彼でも募集実績が1件存在していたことだ。見栄えをよくするための自演の可能性もあるが、いったい誰が彼の依頼を受けたのだろうか。

たのしいおしごと

実際はもっと多かったんですが、ジャンル別だと主にこんな感じでした。そしてほぼ全てのクライアントが自身のサイトを非公開にしていました。つまり、書いた記事がどこに掲載されるのかわからないわけです。ライター業界を知らなくてもオカシイと思いませんか?実際オカシイんですよ。まあよくあることなんですけどね。

なんで公開しないのかって言うと、多くは「悪いことができなくなる」からです。悪質なクライアントは採用可否に用いるテストライティング(テストなので報酬は安い)の記事を許可なしに流用したり、本採用後に非承認にした記事を実は使ってるなんてこともあります。サイトを公表するとそういうのがバレちゃうんですよ。クラウドワークスやランサーズでは金銭トラブルを防ぐために「仮払い」という制度がありますが、サイトを公開してないクライアントを完全には信用できないですよね。

ライター側も自衛策として「採用されなかった記事を自身のブログに先に載せる」という方法があり、こうすることで相手はコピーコンテンツ扱いで検索エンジンからの評価を落とさせることができます。まあ結局こっちの得には一切ならないんですが、悪質なクライアントに一矢報いてやろうという気概は大事です。

クラウドソーシングは魔窟である

私のキャリアのスタートもとあるクラウドソーシングでしたが、最近になってようやく世間があの惨状に注目し始めた感じがあります。だって、ネット上にあふれる糞コンテンツの出所ってほとんどがクラウドソーシングなんですよ。一度サイトに行って案件一覧を軽く眺めてみてください。ハロワで紹介されてる仕事が超ホワイトに見えますよ。

もし現ニートとか無職とかで再起を図りたい人には確かに向いてますよ。職歴なしとか空白期間長すぎとかだとマトモな仕事はもう絶望的ですしね。でも他に道があるなら絶対にやめたほうがいい場所です。クラウドソーシングは基本的に運営元とクライアントだけが得をする仕組みなんです。受注側は出稼ぎの外国人労働者と同じようなもんです。クオリティ度外視でとにかく人件費を安く済ませるための買い手市場になってます。

まとめ

先日のFGOバズのおかげか直リンクでうちのブログに来てくれる人がかなり増えたので、久しぶりに本業のライター関連記事を書きました。ちょっとしたネタ記事のつもりが気付いたら大ボリュームですよ。一応ブログトップのプロフィールにも私がフリーライターだって書いてますけど、たぶんみんなそんなこと知らないか忘れてますよね。だからこの記事を読んで私がライターで食っているということを改めて認識して欲しいと思います。そのためだけに2時間と5000文字を費やした私を評価してください。